LGBTQの人権も随分と平等化されて来た北米ですがヘイト・クライムは中々消えません。
2019年年末にカナダオンタリオ州トロントでトランスジェンダーの人権活動をしていたジュリー・ベルマンさんが無残にも暴行を受けこの世を去ってしまいました。
In loving memory of Julie Berman, a proud Trans Woman and tireless advocate who fought to raise awareness of the increasing rates of anti-trans violence across our city. With heavy hearts, we will remember Julie. #RestInPeace pic.twitter.com/JvmfGzLX7R
— Pride Toronto (@PrideToronto) December 27, 2019
悲しい現実
ゲイやレズビアンに対するヘイト・クライムは年々と減少しているのは事実ですが、トランスジェンダーへの暴行は2018年、2019年と報道されているだけで25件を超えています。
残念ながら新聞やテレビなどで暴行傷害事件として報道されたとしてもヘイト・クライムとして報道されることは珍しく正しい統計が取れていないといわれています。
それはなぜか。
特にカナダ全国の警察署で「ヘイト・クライムの定義」が違うからなんです。
困難にさせる事実1
CBCのレポートによると、全国の警察署が共通の定義を持っていないので、ヘイト・クライムだと通報を受けてもそれを調査する警察官の宗教や信教によって判断が異なってしまう現状だそうです。
2018年に1,798件のヘイト・クライムが報告されていますが実際はそれ以上だと推定されています。
また、カナダ刑法ではヘイト・クライムを判決時に考慮することになっていて起訴する段階じゃ存在しないんだそうです。
オンタオ州の警察庁でヘイト・クライムをこう定義しています。
人種、民族や出生地、言語、肌の色、宗教、性、精神/身体障害、性的指向、その他似た要因からの憎悪/バイアスあるいは偏見に動機づけられた犯罪
そしてびっくりする事実なんですが…
アテシの住んでいるお隣のケベック州では正式な定義は存在しません。
さいごに
LGBTQにとって北米は日本とは比べられないくらい住みやすい場所だと思います。
でもその中で陰を潜めているヘイト・クライム。
日本のよりも悪質で暴力的で危険なのも事実です。
1日も早く刑法でしっかりと全国統一された定義を作って欲しいと願っています。
- カナダでの話です ↩︎
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