今日はアテシが大学時代に読書にハマったことについて書いてみたいと思います。
ちょっと長くなりますがお付き合い下さい。
この当時のアテシの状況
日本にいた頃はまだ10代で遊ぶのに必死で書物に触れる事がほとんどありませんでした。
アメリカ留学中の恋愛に失敗して一文無しになったアテシ。
学費がなくなったので学校にも登録が出来ない状態。
もちろんアパートにはテレビもない生活でしたしね。
強いてあったのはこんな感じのBoombox (ブーンボックス)。
日本ではラジカセって言っていた気がします。
留学ビザでしたので学校に行っていないことがバレると強制出国でブラックリストに載せられます。
そうなったら、それ以降アメリカへの入国が禁止されます。
当時帰国する際には学校の留学アドバイザーからサインを貰った書類が無いと再入国が出来ないシステムでした。
つまり学校に行っていないとこの書類のサインが貰えず、思うように日本に帰国も出来なかったんです。
早くお金を稼いで学校に戻らないとって、チャイニーズレストランとジャパニーズレストランを掛け持ちでバイトしながら生活費を稼ぎ微々たる貯金をして学費を貯めていた時期です。
Suffering from my own actions (身から出た錆)です。
自分の馬鹿さの故のこと。
1銭にもならないプライドだけ高く親にも言えず周りの友人にも言えず苦しんでいた時期です。
現実逃避
本当に苦しかったですね。
毎日朝晩働いても稼げるお金なんて微々たるもんです。
お金を稼ぐ厳しさ、そして1円、1円の大切さを身に染みて覚えた時期だと言っても過言ではありません。
そんな状況に陥ったのも全部自分の浅はかさからで誰を責める事も出来ない。
怒りをぶつけるところもない。
ただただ自分を責め、落ち込むばかりでした。
そんなアテシに唯一、現実逃避させてくれたのが読書でした。
きっかけは近所に図書館があったから。
図書館にいけば無料で本を借りて読むことが出来るじゃないですか。
目から鱗とはこの事ですよね。
本を好きになったと言うより活字に抵抗感が無くなったのはこの時期からだと思います。
レンタルビデオ屋
元々読書なんて疎遠だったアテシです。
図書館に行ったからってこれが読みたい!なんて本が直ぐ見つかるわけがありません。
やっぱり自分が漁って読んだのが”ゲイ”関連の小説でした。
当時の図書館はパソコンなんて無い時代ですからね。
探すのも一苦労でしたよ。
どうやって探したら良いか悩みました。
だって、まったく文学の事なんて知らなかったですし。
そこで思いついたのが小説を元にしている映画から探す事でした。
覚えています?
沢山あったビデオレンタル屋?
アラバマ州の田舎でしたがレンタルビデオ屋にはちゃんとゲイセクションが儲けてあったんですよ。
でもエッチなビデオの方にありましたが。。。汗
このゲイセクションでビデオの表紙を見ながらタイトルをメモって帰っていました。
だってビデオ借りるお金無いから(笑)
どれくらい読んだかなぁ。
1週間に3〜4冊?図書館に思ったより沢山のGay Literatureがあるんですよ(笑)
吃驚でした。
それからですね、今でもコツコツと暇があっては本を読んでいます。
アテシが読んだゲイ小説 「E.M. Forster」
アテシが最初に好きになった作家が『E・M・フォースター』。
たくさん作品が映画化されているおかげで探しやすかったのが一番の要因です。
代表作はたくさんありますがアテシの好きな作品を3つ紹介します。
映画化されているので良かったら是非観てみてください。
『A Room With A View』が1番好きな小説でしたね。
彼の書く描写が目の前に映画の様に映った感じを覚えています。
『Maurice』も好きですね。
若いヒュー・グラントもゲイ役で出演していますよ💕
Edmund White
アテシが、1番読んだ作家は Edmund White です。
- A Boy’s Own Story (1982)
- Caracole (1985)
- The Beautiful Room Is Empty (1988)
- Skinned Alive: Stories (1995)
- The Farewell Symphony (1997)
- The Married Man (2000)
- Fanny: A Fiction (2003)
A Boy’s Own Storyの続編と言えるのが、The Beautiful Room Is Empty。
そして最終編が The Farewell Symphony と言うトリロジー(三部作)です。
ウチらの世代の男の子がゲイとして大人に成長していく過程を垣間見る感じ。
アテシと大して変わらない夢だったり、感じている恐怖、そして日々の葛藤。
まるでアテシ自身が登場人物になったかの様にはまり込んで読んでいたんだなとこのブログを書きながら思い返しています。
本当に、映画化誰かしてくれないかなぁ〜
その他にもNon-Fictionだったり、彼が執筆したプルースト(Marcel Proust )やリンボー(Arthur Rimbaud)のバイオグラフィーだったりも読んだので彼の本だけで10冊以上にはなります。
その他のゲイ小説
その他に、D.H. Lawrenceの短編小説。
詩の様な書き方が初めはすごく取っ付き難くて苦手意識バリバリでした。多分今でも。。。汗
そうそう、David Leavittの “The Lost Language of Cranes“は衝撃的でした。
BBCがTV用の映画として制作した事を本を読んだ後に知って、図書館でビデオ(VHS)を探したらあったんですよ!
テレビやビデオセットを買えるようになった時、最初に借りて見たのを驚いたのを覚えています。
学校に戻った後、4年生の時にLGBT文学って授業を選択科目として取ったんです。
その時に読んだのが、Oscar WildeやJames Baldwin、Rita Mae Brownですね。
Rita Mae Brownの”Rubyfruit Jungle“は絶対にオススメです。
アイキャッチ画像にも使ったのがRubyfruit Jungleからの引用です。
I don’t care whether they like me or not. Everybody’s stupid, that’s what I think. I care if I like me, that’s what I truly care about.
アテシのこと好きかなんて気にしない。アホばかりだって思うもん。アテシがアテシ自身を好きなのか。本当に気にするのはそれだけ。
Rubyfruit Jungleから引用
漫画を読んでいる感覚で小説を読んでいた感覚を覚えています。
そのせいですかね、お腹抱えて笑いながら読んだの記憶があります。
その時の教授が出版した”Pagan Babies“。
涙しながら読んだ記憶あります。
何せ話の舞台が当時住んでいた地元でしたしね。
自分たちが生きている真っ只中の話だっただけに随分と感情移入して読んだんだと思います。
アテシが1番好きだったのは、3人の作家が “Timothy James Beck” と言う1人のペンネームで書き上げた4つの物語。
多分日本語訳版が出ていると思うので是非探してみてください。
2007年以降は活動がないみたいなのが残念です。
その他にも、Larry Kramer、Armistead Maupin、Christopher Isherwood、Andrew Holleran、Tony Kushner、Michael Cunningham、Christopher Bram、Bob Smith、Andrew Solomon 等々。。。
さいごに
本当に短期間で沢山読みました。
まぁ〜こんな感じで本を読むのは比較的に好きな方ですね。
一つ言えるのは、このお陰で英語の語彙は随分と増えたと思います。
その代わり、日本語で書物を読んでいないので日本語の語彙は滅茶苦茶ですが。。。汗
そう思うとやっぱり幼児期に沢山本を読むことは良いことなんだとつくづく思うのでした。
コメント