アメリカ大統領選挙の際に上院議員選挙の方が大事だと話をしました。
今日はその結果についてサラッと書いてみたいと思います。
注目していた上院議員選挙
- アリゾナ州:民主党推薦マーク・ケリー 対 共和党推薦マーサ・マックサリー
- コロラド州:民主党推薦ジョン・ヒッケンルーパー 対 共和党推薦コリー・ガードナー
- ジョージア州 (欠員による特別選挙):民主党推薦ジョン・オッソフ 対 共和党推薦デイビッド・ペルドュー
- ジョージア州:民主党推薦ラファエル・ウォルノック 対 共和党推薦ケリー・ローフラー
- ノースキャロライナ州:民主党推薦カル・カニングハム 対 共和党推薦トム・ティルズ
- アイオワ州:民主党推薦テレッサ・グリーンフィールド 対 共和党推薦ジョニー・アーネスト
- メイン州:民主党推薦サラ・ギドン 対 共和党推薦スーザン・コリンズ
この中で民主党が勝ち取った議席は次の通り
- アリゾナ州:民主党
- コロラド州:民主党
- ジョージア州:民主党
- ジョージア州:民主党
- ノースキャロライナ州:共和党
- アイオワ州:共和党
- メイン州:共和党
※青字が民主党が共和党議席を奪い取った州になります。
ノースキャロライナ州、アイオワ州、メイン州は共和党議員が維持。
民主党はアラバマ州を共和党に失いました。
ッチ💢
これは予測されていた通りでした。
上院議会選挙の結果
民主党 47議席 Vs. 共和党 53議席
35議席が選挙対象だった総数100議席の上院議会選挙。
民主党は3議席を追加で獲得しないといけませんでした。
結果、民主党は4議席を新しく獲得し、1議席を失い、±3議席獲得し最低過半数の50議席となりました。
タイブレークは副大統領の投票になるので民主党が主導権を握ることになります❗️
これで大統領府、上下議会の3つで民主党が主導権を握ることになります。
前途困難な上院議会
副大統領の1票で過半数を取ることに成功した民主党ですが、前途困難なことには変わりありません。
一体それはなぜ?
アメリカ上院では法案の決議を決める際に『Filibuster (議事妨害)』を恐れ60票を確保することが暗黙の了解になっています。
このFilibusterを終わらせる(Cloture)には上院議員の3/5票(60票)が必要になります。
多くの報道でもこの辺りは間違って報道されていますが決議自体はシンプルマジョリティー(50+1)です。
ただ最低でも60の議員が法案に同意していないとFilibusterに会い法案が潰されてしまう事になるので、事前に議員は法案を支持している議員数を確認する習慣になっています。
シンプルマジョリティー (単純多数決)
上院議会の過半数を得たことで大統領府は大きく徳をすることになります。
最高裁判事の承認や大統領が任命する各閣僚の承認、各国へ送る大使の承認などは上院議会の単純多数決で決まります。
LGBTQ+初めての閣僚がこれでアメリカでも承認されることになります。
同時にAG (Attorney General 司法長官)の任命も共和党の顔色を見ながら選ぶ必要は無くなりました。
トランプ政権時の悪行を全部洗って欲しいですね。
さいごに
ジョージア州の選挙は本当に接戦でした。
アテシが住んでいた頃は真っ赤の州(共和党の州)だったのがここまで変化したのはちょっと驚きです。
ジョージア州をここまでの接戦地区へ導いたのは『Stacey Abrams (ステイシー・エイブラムズ)』だと言われています。
この2議席を取れなかったら過半数を取れなかった民主党。
2年後にも上下院議員選挙が有ります。
大統領の政治も大切ですが、しっかりと草の根運動を続けないと共和党に過半数を取られてしまいます。
議会のサポートなしでは大統領は単なる飾りになり兼ねない。
これからも目を離せないアメリカ政治です。
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