米最高裁がとうとう判決を下しました‼️
去年からこの判決を期待して待っていました。
アメリカでは同性愛者だと言うだけで職場を解雇出来る州がたくさんありました。
同時に住んでいるアパートを追い出されることも契約を破棄されることも合法な州がたくさんあります。
今回の判決では、同性愛者だと言うだけで解雇された事を不服にした次の3つのケースを纏めて判決しています。
- ジェラルド・リン・ボストック Vs. ジョージア州クレイトン郡
- アルティチュード・エクスプレス株式会社 Vs. メリッサ・ザルダそしてウィリアム・アレン・ムーアJR
- R.G. & R.G.ハリス葬儀会社 Vs. 雇用機会公平委員会
Title VII
今回の判決も裁判所の意見(Opinions of Court)を読みました。
大きな論点は1964年公民権法(別称「Title VII」)で性少数者が含まれるかでした。
このTitle VIIで、人種、色、宗教、性、出身国を基に職場で差別する事を禁止されています。
判決は、LGBTQ(性少数者)を職場で差別するのは違憲とする意見に賛成が6名、反対が3名で、違憲の判決が下されました。
反対票3
反対派の弁護士そして違憲とした最高裁裁判官3名は「権法に性と書いているがこの性は男女を指していて性少数者は含まれていない」としています。
反対意見を書いたのはアルト最高裁判長。
- 法を作るのは議会の役目
- 裁判所は書かれた法を解読し守るのが役目
- Title VIIには「性」とあるが「性少数者」とは書かれていない
- 憲法修正第14条1へも影響
- スポーツでも性平等との兼ね合い
- 宗教の自由、発言の自由などへの兼ね合い
- 教育環境、教員への懸念
スポーツでは生まれ持った性器で別れて競技を競っている現状に、性少数者が参加を希望した場合、差別せず皆に平等な競技が行えるのか。
性少数者を認めない宗教の信者の自由をどう保障するのか。
教育の場で、新しい中性の単語を教えるのか。
アルト最高裁判官の大きなポイント。
基本的にTitle VIIには「SEX (性)」とだけ書いてあって、そこには同性愛者やトランスジェンダーなどの性少数者は含まれていない。
制定された1964年にはそんなコンセプトすら存在しなかった。
賛成票6
打って変わって賛成票を書いたのは、ゴルサッチ最高裁判官。
アイロニーなのはLGBTQや性少数者の人権に反対しているトランプ大統領が任命した最高裁判官がこのゴルサッチ裁判官。
- 現権法上「Sex (性)」は拡大解釈が可能
- 事実的因果関係が成り立たない
- 現権法では「Individual (個人)」と性に関する表現は曖昧
- これらの判例が既にたくさん存在する
本当に生まれて来た生殖器で性別を分けることが重要だとしたら、議会は「Solely」などを付け加えて拡大解釈が出来ない様に法案を制定することが出来た。
「Individual」と言う単語を使用している以上、個人がどんな個人については特定されていない。
簡単にまとめるとこんな感じですかね。
男性が好きな女性と男性が好きな男性が2人いて、男性が好きな男性が、男性で男性を好きだ(同性愛者)と言う理由だけで解雇されたのであれば、法律上は彼が男性と言う「性」を差別されたのと同じだとゴルサッチ最高裁判官は説いています。
彼が女性だったら解雇されていない訳ですから。
同性愛者を差別する過程で必ず性的差別をしていることになると説いています。
さいごに
やっと!
こんな言い方するとイヤらしい人と思われますが良いです。
トランプ大統領が任命した最高裁判官がトランプ大統領と正反対の判決を下したアイロニーに笑いました。
それでも3人の最高裁判官が反対票を出しているのは残念です。
最高裁の政治的中立性を試されている時期だと個人的に注意してみています。
DACAも合憲判決(5-4)が出ていますが、政治的中立性が疑われる判決と言われても仕方ない感じの意見だったのも事実だと個人的には感じています。
人が人を裁く
本当に簡単なことでは無いですね。
- この修正条項はアメリカ合衆国市民としての身分の広範な定義が盛り込まれており、アフリカ系アメリカ人を市民として排除した「ドレッド・スコット対サンフォード事件」の判決を覆すことになった。各州に対しては、その司法権の範囲内で市民に限定せずすべての人(法人を含む)に対する法の下の平等保護を求めている。 ↩︎
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