北米ではBBQやポットラックパーティー1など友人を自宅に招いてパーティーを良くしますがビールやワインなどアルコールもその場に欠かせないものです。
今、ブリティッシュ・コロンビア州の最高裁で行われている裁判の結果では今後こういったパーティーで飲酒した未成年者が起こした事故の責任をホストが負うことになるかも知れません。
何が起こった?
カルダー・マコーミックさん(現24歳)が17歳の時に参加したハウスパーティーのホストだったカップルを訴えました。
理由は、そのパーティーで飲酒をしそれが原因で自動車事故に遭い助手席に座っていた彼は脳に重傷を負ったからです。
原告側の言い分
原告側の弁護士はこう語っています。
彼は歩く負傷者だ。まだ若くして脳損傷者になった彼はもうこの競争社会で雇用されることはないだろう。
未成年者が参加しているパーティーであることを知りながら飲酒を見逃し、酔ったままの状態で帰したのは大人としての責任/義務に反していると訴えています。
原告側の申し立てはいずれも法廷では証明されていません。
検視官の報告では、死亡した運転手は事故当時アルコールと大麻の摂取が証明されました。アルコール量も運転する許容範囲より多かったと報告されています。
さらに、運転手は運転免許自体も持っていなかった事実が明らかになっています。
被告側の言い分
もちろん被告側は、マコーミック自身と彼の親に責任があると全面的に原告の訴えを否定しています。
以前から飲酒や大麻など常習していたことを指摘し、マコーミック弟が1人で帰宅した際に、彼の親が自分たちの子供が安全に帰宅出来るよう手を施すべきだったとしています。
バーやレストランなどの飲食店でない限り、”ソーシャル・ホスト”が自宅でアルコールを出したとしてもそこから発生する事故や障害の責任/義務はないと回答しています。
ソーシャル・ホストの責任
カナダの法律では未成年者に関してはソーシャル・ホストの責任は比較的に斬新な問題です。
2006年カナダ最高裁の判決が判例として引用されます。
この判決では、残念ながら今回の様な未成年者に対する責任については触れていないのと、ソーシャル・ホストが直接的に事故や障害を起こすリスクを作った事実が認められればホストにも障害責任は発生し得るとも述べています。
ホスト側が直接的に今回の事故そして障害を起こすリスクを作ったかどうかが論点です。
この裁判は1ヶ月くらい続くそうです。
それと、原告側は同時に死亡した運転手も訴えています。
さいごに
この記事を最初に読んだ時から難しいなぁ〜と感じました。
アテシの親から「責任はいつでも全部自分にあるんだから」と言われて育ってきました。
何をするにも自分の判断が関与しているから。
お酒を飲んだのも、大麻を吸ったのも、そんな中で友達と車に乗ったのも、原告の彼が決めたことです。
それだけをみたら原告の言い分は認められません。
ただ、心のどこかで未成年者が自分の家に来ていて飲酒を容認した時点で、大人がその子供たちの帰宅状況についてはある程度義務が発生するんじゃないかとも思うところもあります。
特に、その子供がアルコールや大麻を常習犯と知っていたなら尚更だとも考えられます。
どう言った判決を裁判官が出すのか興味深く待っています。
- 各自料理を一品持参して来るパーティー ↩︎
コメント
コメント一覧 (2件)
凄くお国柄を感じる話ですね〜。面白い!
くいしんぼうよしこ さん
コメント頂いていたのにご挨拶遅れました。
いつもコメント頂いて本当に有難うございます。
夫くんともこれは討論になりました。
お互いに同意したのは「大人が未成年者にアルコールを勧めたか否か」で大きく変わる点。
「知らなかった」ことが言い訳にはならないとは言え直接関与では無いので状況判断になりますが
大人が未成年者にアルコールを勧めておいて、その子たちの帰宅時は知らぬぷりってのはありえないですよね。
夫くんは
「テーンネイジャーのハウスパーティーでアルコールがないと考えているのは余りにも大人としてナイーブ過ぎる」
だそうです。
どういった判決になるのかちょっと気になっています。