慢性化しているケベック州の医療従業者不足問題。
人口も少なく都会から離れた地域ではさらに厳しい状態で緊急病院が8時間しか稼働出来ない状態だそうです。
そんな中起きたこの悲劇。
救急車が来るのを待つこと2時間。
親族の話では、この65歳の患者が死亡してしまったのはこの待ち時間が大きく寄与していると言っています。
この町には救急車も1台しかなく、この患者が救急車を呼んだ時にはすでに70km離れた街へ患者を輸送中だったそうです。
隣町から急遽別の救急車が迎えに行ったのですが、隣町との距離が2時間程度。
救急車に運ばれて患者は1時間離れた町の救急病院に向かうのですが、手術室に行く途中のエレベーターで息を引き取ったそうです。
救急車を呼んでから7時間後のことだったそうです。
救急隊や病院側もマニュアル通りでの行動で結果は残念だが、対応に落ち度は無いと主張しています。
救急車がないから隣町から送っているって段階で自分が連れて行くってことは考えなかったのかしら。。。
このマンネリ化した医療従業者不足問題は本当に抜本的な改革をしないとこれから高年齢化社会になるにつれて、今以上の社会的問題に発展しかねないですよ。。。
これに対応するべく、ケベック州は向こう5年間で39億ドルをかけて人手不足を解決する計画を掲げています。
- インフォメーション・テクノロジー
- エンジニアリング
- 建設関連
なぜ医療関係は外れているの〜⁉️
医療関係は看護師、精神科、ソーシャル・ワーカー、教員などを勉強する生徒には奨学金を与えるそうです。
奨学金の内訳
- 短大3年間のプログラムの場合は9,000ドル
- 4大3年間プログラムの場合は15,000ドル
- 4大4年間のプロブラムは20,000ドル
これで本当にケベック州の医療従業者数が増えるのかしら・・・
給料と業務環境が大きな問題だってついこないだ組合の人たちがデモを起こして叫んでいたと思うけど・・・
一朝一夕で解決する問題じゃないので時間をかけて人材を育てようと言う考えは間違っていないと思います。
その反面、それだけじゃ根本的な問題解決になっていないとも思うんですよ。
これじゃ、『人さえ増えれば良い』って感じで、他の国や州と比較出来る給与体型だったり、業務環境の改善って人員不足だけじゃないはずだから、職場の現場改善なども真剣に取り組んでいかないと、コロナ禍での職離れ問題に油を注ぐだけだじゃないかと危惧しています。
救急病院で待ちに待たされたアテシとしても人員不足が深刻なのはヒシヒシと感じさせられています。
そういった意味では、短期、中期、長期を見据えた計画が欲しいですよね。
本当に難しい問題ですよね。
コメント
コメント一覧 (2件)
ここら辺が日本の国籍を捨てられないところです。日本で『医療崩壊』ってニュースを見ましたが、救急車なんて最初から緊急搬送の選択肢にできないこの国と比較すると、崩壊のレベルが違う感じです。
Giroさん、こんばんは。
『医療崩壊の度合いが違う』って本当にそうですよね。
救急車も自費で払うアメリカも酷いなと思ったことあるけど、呼んでも2時間待ちってのも酷いですよ。
だったら初めから無いから自分で何とかって方が諦めつくかも・・・😅
日本の医療はやっぱりまだマシですね。