これまたアメリカの最高裁の判事の半数以上が保守的になった影響で想像していた通り同性カップルの婚姻権利が少しずつ削られていきそうです。
2015年にアメリカ最高裁判事全9名中、賛成5名、反対4名で可決された同性婚。
当時強く反対した判事4名は今でもこの判決を不服とし覆すことが出来る時期を待っていた感じでした。
トランプ大統領が就任し多くの保守派判事を選任し最高裁の判事にもウルトラ保守派と言われているバレット判事を任命しました。
バレット判事が就任して1ヶ月も経たない今最高裁が同性婚の権利を少しずつ崩しにかかりました。
Box v. Henderson
このケースは最高裁が既に2回も回答しているケース。
通常は最高裁は既に判断されたケースは拒否するのですがもちろん保守派優勢の今の最高裁判所は同性婚を崩す機会だと受理しました。
この裁判の概要はこんな感じです。
原告は同性婚をしている8人のレズビアンカップルで精子提供者を使って妊娠・出産しています。インディアナ州では同様に静止提供者を介して妊娠・出産した異性カップルの場合、カップルの男性が自動的に父親として認められます。
同州は同性カップルの場合、量方の女性が実親として出生記録に記録されることを拒否しました。
異性カップルであろうと、同性カップルであろうと、この様に精子提供者を介して子供を授かった場合、片方は生まれた子供と生物学的な繋がりはありません。性別だけで親と認めることを拒否するのは差別だと裁判になっています。
最高裁が拒否した例 ~ Paven V. Smith
2017年のPaven V. Smithの場合、最高裁は口論も聞かずに拒否しました。
この時最高裁は次のような判決を出しています。
もし州が出産した母親の夫を生物学的な繋がりを問わずにもう片方の親として認めるのであれば、同性カップルでも同様であるべきだ。
さいごに
アメリカの最高裁が同性婚の権利を崩す最初は養子縁組1だとか親権だとかからだろうとは以前から推測されていました。
その推測通りに保守的な判事たちが動き出した感じです。
リベラル派の判事はこれまで幾度も「Activist Judges (活動家判事)」と呼ばれて来ました。
保守派の意見とは違う判決を導いて来たかららしいですが。。。
立場が逆になった感じですね。
カナダではこういった心配はないですが、夫くんがアメリカ人で今後アメリカでの生活も視野に入れようとしているウチらには進展がすごく気になります。
- フィラデルフィア州では養子縁組を同性カップルには許さないとして裁判になり最高裁までケースは進んでいます。 ↩︎
コメント
コメント一覧 (2件)
けび子さん、こんばんは!
前から疑問だったんですが、判事って中立な立場じゃなきゃいけないんじゃないの?と思ってました。どうしてリベラル派と保守派で別れてるんですかね?
いろいろな国で同性婚が合法になってかなり時間経ってるのに、こういう後退するような事が起きてることが悲しいですね。
KOKOさん
コメント有難うございます❤️
本当に仰る通り。
判事を任命するのは大統領。
任命された判事を承認するのが上院議員(Senate)。
この過程でどうしても政治が絡んで来てしまうんです。
全9人の判事がいる最高裁。
保守派の大統領が任命する判事はどうしても保守的思想や法律を保守的に読解する判事であることが多く上院議員が保守派優勢だとリベラル派の大統領の任命する判事を承認しなかったりと政治的争いに利用されてしまう現実。
理想とは随分とかけ離れているのは本当に残念です。
保守派の判事は「法律に書いていないことを裁判所で決めるべきではない。」と同性婚の法律を議会が可決しない限りは裁判所の判断は同性婚は不法となるべきと考えています。
議員が国民の代表でその議会が同性婚の法律を可決出来ないのはそれを国民が望んでいないのと同じと保守派判事は解いています。
リベラル派で近年癌で他界したギンズバーグ判事は「法律が間違っている時には裁判所が正さないといけない」と女性が中絶する権利について意見を書いています。
(Stenberg v. Carhartのケース。意訳です)
保守派の判事が言うように書かれてある法律だけを見て判断するのが判事なのか。
それともリベラルはの判事が言うように書かれてある法律と変わる社会とを比べながら判断をするのか判事なのか。
アメリカの最高裁は6-3で大きく保守派に傾いてしまいました。
これからの判決で反対意見を書く判事がどう言った意見を述べるか興味深々です。