まだ多くの人の記憶にあると思うこの事件。
ちょろっとおさらいします。
2015年4月。
家族にも言っていなかった男性が自分がゲイである事を恋愛感情を抱いた相手に告白。
6月にはこの話がLINEのグループチャットで知らさせアウティングされた。それからこの相手を見かけるたびにパニック状態に陥るようになったそう。
8月授業の途中に学舎から飛び降り死亡。
2018年にアウティングをした学生とは和解が成立している
遺族は学校側の対応が不十分だったとして大学側と裁判をしていました。
・セクシャルマイノリティへのハラスメント防止のための啓発に努めている
・具体的なハラスメントを防止するのは現実的に不可能突発的な自死を予測するのは不可能
・(死亡した学生に)専門の相談機関も紹介していた
結果から言うと東京最高裁は原告側の控訴を棄却。
最高裁でも「アウティング」が人権やプライバシーを著しく損害する事だと認めるものの、防止責任については大学側の反論を受け入れました。
遺族の方々の言葉を弁護団が次のように代弁しています。
彼のお母さんお父さんは、裁判のたびにこう話していました。「本人の気持ちも一緒に法廷に来ているから。弁護士にはなれなかったけど、あなたの裁判だよ」と。
この裁判が勝つか負けるかよりも、裁判所が「アウティング」をどう捉えるか、その本質を気にされていました。
「目指していた弁護士にはなれなかったけれど、本人の生きたことが日本の裁判の歴史の中で大きな基準になるような判決になれば、夢は果たせなくても意味はあったんじゃないかな」それがご両親の思いでした。
「アウティング」は集団の中で人間関係がガラッと変わってしまうこと。しかし裁判では表面的な判断しかされなかった。私達、原告代理人も残念でなりません。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5c736b76e4b06cf6bb27b80b
「アウティング」は会社という場所でも今後注意が必要です。
東京豊島区のある保険会社で上司が部下がゲイである事をパートの女性にアウティングした事件。
会社側は当初「善意で話した」と社員の訴えに応じる姿勢を見せなかったそうです。
組合やその他の団体からの圧力に屈し最終的には裁判ではなく両者同意で解決したそうです。
ゲイでもゲイでなかろうと、誰かから LGBTQであることを打ち明けられたら、当事者の許可無しに他に話をしないこと。
そう信頼されているから打ち明けられたって事ですしその信頼を守って欲しいです。
ただ、気を付けないといけないのは言葉で話をするだけじゃなくてインスタやフェイスブック、ツイッターなどで写真を投稿するときにも少し気を付けて欲しい点です。
意図としないアウティングになるケースもありますので。
コメント