ケベック州で2019年に出来た法案『BILL 21』。
簡単に言うとこの法律は・・・
公務員は業務中に宗教的シンボルを身に付けてはいけない。
例えば、キリスト教徒の人が十字架のネックレスをして業務をしてはいけないだとか、イスラーム教徒の教師がヒジャブを被って教壇に立ってはいけないとか言う法律です。
世俗主義(securalism)で政教分離の精神に則った法律だと政府は正当化しています。
この法律が可決されてから、今まで州議院にあった歴史深い十字架を外したりもしています。
でもね・・・アテシが問いたいのは『宗教的シンボルが一体どれだけの影響力があるのか』ってこと。
一番簡単に描ける例えで話すと、イスラーム教徒の教師が授業を教えていたとして。
- 授業を受けている子どもたちへの悪影響ってヒジャブを被っているから起きるの?
- それともその教師が教える内容から起きるの?
宗教での差別は禁止されているから、ヒジャブを被る人だから教師として失格みたいなことは既に不法。
発想だったり、この法案の意図は決して悪くはないんです。
政教分離って言うのは、特にカナダのように多数の宗教徒が混在する国には法律の下では皆平等だってことを示す大切なことだと理解しています。
その法律を作るにあたっても、宗教が関与すべきではないと思います。
公務員が宗教的シンボルを見に纏うことが、一体どう政教分離の精神から外れることなのか。
世俗主義を謳うケベック州として、マイノリティーの宗教徒の人たちが差別をされるような環境を作らないためにも、公務員が宗教的シンボルを身に着けて業務することを禁止するみたいなことが意図だったんだと察します。
でも結局この法律が差別を容認し始めているんです。
中学校かな?小学校かな?の授業で将来の職業かなんかの話をしていた中で、ヒジャブを被っていた12歳の女性に教師が”その姿じゃ教師にはなれないね”って言ったとか。
そこから【ヒジャブを被る=教師(公務員)になれない】と子どもたちは認識し彼女を茶化し始めたんだとか。
この法案が出来た時から他の州からも連邦からも冷たい視線を浴びているケベック州。
とうとう、法律を勉強している弁護士の卵の生徒も、卒業後はケベック州ではない別の州で働くことを考えているそうです。
これじゃ医者や看護師同様、その内弁護士や検察官なども不足する日が遠くないのではないでしょうか。
この法律がそう遠くない将来、連邦最高裁で合法かどうかの審判がされると思います。
現ケベック州政府は、連邦最高裁で違憲とされた場合、notwithstanding clauseを行使すると強気な姿勢を示しています。
Notwithstanding Clauseを行使すると、違憲とされてもケベック州では合憲と連邦高裁の判決を5年間突っぱねることが出来ます。
実際にこのNotwithstanding Clauseが使用されたのはカナダの歴史でもそう多く有りません。
ケベック州は結構使ったことある気がしますが😅
何にせよ、フレンチ優位の法律もそうですし、今回の宗教的シンボルの着用についてもそうですが、結果的に差別を許すような法律を作るのは辞めましょうよ。
XXXXをしないなら (出来ないなら)、この権利を没収します。
小学校の風紀規律? 牢獄の規律みたいじゃないですか?
各職場に適任適切な人を選別することの方が大切だと思うんですよ。
その選別の対象が宗教的シンボルを着けるか着けないかってのも、江戸時代の踏み絵じゃないんだから。。。
本当にウザい州に住んでおります。
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