2020年9月18日。
87歳で他界されたルース・ベイダー・ギンズバーグアメリカ最高裁判事。
27年間に渡り最高裁で性差別の撤廃など求めてリベラル派判事の代表的存在として活躍されていました。
そんな彼女の代表的な裁判例を紹介したいと思います。
ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事について
ギンバーグ判事の力強い意見は彼女の同僚に影響を与え、多くの問題について裁判所の意見に色を付けました。
彼女の業績は、生殖に関する権利、ジェンダーの平等、および憲法修正第4条の権利1を擁護する原動力となっています。
- 1933年3月15日生まれ。
- ニューヨーク州のブルックリン出身。
- ハーバード大学ロー・スクールからコロンビア大学ロー・スクールへ編入学後同ロー・スクールを卒業。
- 1980年ジミー・カーター大統領に任命され米国控訴裁判所判事に就任。
- 1993年ビル・クリントン大統領のから任命され最高裁判事に就任。
- 2020年9月18日 他界
Stenberg v. Carhart
裁判所はこの判決でネブラスカ州で全ての抽出中絶を禁止する法律は不法としました。
この時ギンズバーグ判事の意見を短く要約します。
”法律が妊婦の生命や健康を守っていない。
生存不能な胎児の中絶を求める女性の進路に実質的な障害を置く目的または効果を果たすネブラスカ州の規制は、憲法に違反している。”
Gonzalez v. Carhart
このケースでは2003年の部分出産中絶禁止法を支持しました。
ギンズバーグ判事が書いた反対意見を短く要約します。
この判決は「警戒」なだけでなく、アメリカ産科婦人科学会によって特定の場合に必要で適切だと認められた手続きを禁止した。
「疑わしい専門家」の証言に基づいて可決された法案。
議会の前で証言した全6人の医者が中絶手術をした経験がないだけでなく、中絶のサービスどころか、産婦人科でもない事実を見てもどれだけこの証言が不均等で意図的に論争的だったことがわかる。
United States v. Virginia
バージニア州の軍事研究所が女性の入隊を認めないのは不法だと判決されたケース。
ギンズバーグ判事が皮肉った意見の一部。
バージニア州軍事研究所の目標は女性を受け入れられるほど偉大なものでしょう。何せ、アメリカの民主主義において女性は今日男性と同格の市民として数えられているんですから。
Ledbetter v. Goodyear Tire and Rubber Company
グッドイヤータイヤ社を退職した女性が同等の仕事をしていた男性に比べて低い給料を貰っていたとして会社を訴えたケース。
最高裁は原告が不公平な給与差でも数年間も仕事を続けていた事を理由にこのケースを却下しました。
この時のギンズバーグ判事の反対意見は賃金格差全般の問題を浮き彫りにしました。
今回のケースの様に、賃金格差はしばしば発生するものです。
この賃金格差に差別が働いていると疑う原因は時が経つと共に発生するものです。
さらに、比較給与情報は従業員からは普通隠されているものです。
当初原告が雇用者を疑わなかったからと言って、過去や現在の収入が性別のせいで他と比べて低い事を訴える権利が剥奪されるべきじゃない。
さいごに
彼女のリベラルな意見は最高裁の多数の判決に影響を与えてきました。
2015年、ジョージタウン大学の講演で、定員9人の最高裁判事のうち何人が女性になれば満足するかとの問いに、私の答えはいつも同じ「9人」ですと答えたギンズバーグ判事。
9人全員が男性でも問題視されないのだから9人全員が女性で何が悪いと判事は話していました。
保守派優勢のアメリカ最高裁。
これからの判決がすごく気になって仕方ありません。
- 不当な捜査や押収を禁じる法律。令状を発行する条件なども定めている。 ↩︎
コメント
コメント一覧 (3件)
けび子、(なぜか、僕、急にたくましい男になっちゃう)この故ギンズバーグ判事をとりあげてくれて、本当にありがとう。ウイキペディアで、さらに詳しく彼女のことを見て、なぜ故、けび子が、アメリカの最高裁判事の構成を危惧するのか、よ~くわかりました。本人が辞任しない限り、終身制で、大統領が、指名して、上院が、審議するというのも、なーんか、今の時代に合わないと思う。口出ししたいけど、よそ様のことだからねえ、、、、テレビでごっつい稼いだ、Judge Judy って覚えてますか?すんません、余計なことを。民主党が政権とったけど 何か、いい方法ないもんでしょうかね。
ちょっと、言葉がたりませんでした。あの 豪快なJudge Judy が好きで、よくみてたんですが、
『はい、あんたが、悪い。罰金250ドル』
で、一件 落着。
ってな具合に、いかないかなあ、いくわけないか。
エチエンヌ・マルセルさん
コメントいつも有難うございます❤️
Judge Judy覚えていますよ。
アテシもよく観ていました。
1月に行われるジョージア州の上院議員再選挙これで民主党公認の2人が通れば上院も民主党が優勢になるんですよ。
そのせいで共和党も必死にジョージア州で選挙活動を行なっていますね。
RBGが彼女の次の判事は新しい大統領が選ぶべきだと亡くなる前に話をしていたことはニュースでも報道されていたんですが、そんなことはもちろん無視のトランプに共和党。
本当に残念で仕方なかったです。
Judge Judyみたいに中々行かないですよね。。。